更新日: June 12, 2018
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【白金高輪】あの頃の思い出をリフレイン。“特別”な夜が美しく過ぎてゆく『ラ クレリエール』

ある日、私は見覚えのあるアドレスから一通のメールを受信した。「久しぶり、覚えていたかな。アドレス帳を見ていたら君をつい思い出しちゃって。」忘れる訳もない。3年前、共に過ごす未来を考えることができず、悩み、恋人未満で疎遠になってしまった彼のことを。懐かしさ、期待、不安…さまざまな気持ちを抱えながら、彼と再会する場所は『ラ クレリエール』。今夜、私たちはどんな時間を共に過ごすんだろう...

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「あの頃と変わらないね」同じ気持ちで、微笑む彼の笑顔を見つめる。

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私よりも物知りで、グルメな彼が再会の場として指定したお店は『ラ クレリエール』。
「森林の木漏れ日」が由来の店名通り、夜の7時でも青々とした木々と光のコントラストが爽やかな印象を与える外観だ。

待ち合わせの時間ちょうどに到着するよう来たはずだったのに、1分、2分と、ドアを開けるのを躊躇ってしまう。
彼との再会を少し不安に思いながら、心から楽しみにしていた…はやる気持ちを抑え、そっと店内へ足を踏み入れた。

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東京都港区白金3-14-10 ベルパラーゾシロカネ 1F
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広々とした店内は、柔らかな光が満ちた、温かみのあるアイボリーを基調とした空間だ。

奥のテーブルに座っていた彼が、ワイングラス片手に私へ話しかける。
「君のことだから、少し遅れると思って先に少し飲んでいたんだ。ごめんね」

険しい経営者の道を生きてきた彼は、私より一枚も二枚も上手だ。
そんなところを昔から不釣り合いに思い、そして少し悔しく感じてたことを思い出した。

「やっぱり、あの頃と変わらないね」
同じ気持ちよ、とは言葉に出さず、彼の正面のソファ席へ腰を下ろした。

彼がセッティングした、この日のための“特別”な時間。

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「このお店はね、客の好み、食材のリクエストに応えて特別なコースを構成してくれるんだ」

メニューへ目を落とすと、「Menu Bénédiction」の文字。
「祝福」を意味するフランス語だ。
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料理を詳しく見てみると、ホワイトアスパラガス、カキ、イチゴ…どれも以前、彼に何気なく伝えた私の好物ばかりだった。

「どう?気に入りそうかな」
答えが分かっているくせに訊いてくる、そんなところがやっぱりズルい。
そう密かに思いながら、私はウェルカムドリンクのシャンパンを飲み干した。

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東京都港区白金3-14-10 ベルパラーゾシロカネ 1F

これまでの時の流れを感じるように、変化する味を楽しむ。

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最初に運ばれてきたのは「ロワール産 ホワイトアスパラガスの三重奏」。
下部がムース、中部がジュレ、上部が冷製スープと、すべての層にホワイトアスパラガスを使用したひと品だ。
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クリーミーな味わい、すっきりとした香り、濃厚な旨味…と、下から上にかけて味の変化が繊細に感じられる。

「繊細なのにホワイトアスパラガスの魅力がしっかり強調されていて、すごく濃厚だ」
スプーンを口に運ぶ彼の口元がほころんでいた。

こんな濃厚なサプライズ、やっぱりズルい。

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「実はメニューにない料理も用意しているんだ」
驚く私の表情を横目に、彼はギャルソンへ声をかけた。

運ばれてきたのは「筍とウニのリゾット」だ。
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鹿児島から仕入れたという新鮮な筍の皮をそっと開くと、オマール海老のクリームソースをまとったウニのリゾット、香ばしく揚げられた筍が顔を出した。
ふわりと漂うウニと筍の香りのマリアージュに、思わず笑みがこぼれてしまう。

「ウニが好物ということも言ってあったかな…」
そう思ったのは一瞬で、私はすぐに芳醇な味わいのリゾットの虜になってしまったのだった。

「食べたがってたでしょ」まさか覚えていたなんて。

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牡蠣に目がない私にとって、メニューの中で一際目気になっていた料理は「長崎小長井より 真ガキ“カレン” 51℃」だった。

「牡蠣、大好物だったでしょ。いつか牡蠣の名産地へ旅行に行って一緒に食べよう、って誘ったこともあったっけ」

まさか、そんな他愛もない会話すらも覚えていたなんて。
ソースをかけるシェフの手元を見ながら、驚きの表情を隠せているか少し心配になっている私がいた。
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シェフの故郷、北海道・北見産の白いんげん豆のフリット、ほうれん草のサラダ、ベーコンとほうれん草のソースを真ガキに添えたひと皿。

長崎産の真ガキは51℃の低温で仕上げられたものだ。

生でも加熱されたものでもない、クリーミーで不思議な触感の牡蠣と、濃厚で独特の旨味を含んだソースの洗練された組み合わせに、思わずうっとりとしてしまう。

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東京都港区白金3-14-10 ベルパラーゾシロカネ 1F
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プレートと共にワイングラスで供されたのは、真ガキを調理した際に抽出された牡蠣の出汁。

白ワインとよく合う、牡蠣の濃厚な旨味が感じられる一杯に彼も満足気な表情だ。

ふわりと漂う、甘く香ばしい香りにうっとりしちゃう。

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ワインで程よくほろ酔い気分になった私たちの前に運ばれてきた、大きな鋳物鍋。

ギャルソンがおもむろに蓋を開けると、中から顔を覗かせたのは藁焼きにされた仔鳩の半身だ。
焦げた藁の甘く香ばしい香りが、心地よく鼻腔をくすぐる。
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フォアグラとプルーン、クルミを小鳩の半身の中に詰めて藁焼きにしたものを、小鳩の内蔵を細かく切って溶かし込んだソースで仕上げた「仔鳩のファルシー」。

葉にんにくや、雪中人参など、シェフこだわりの素材も仔鳩に合うように仕上げて添えられている。
「とても凝っているけど、まとまりのいい味わいだ」

今日一番、彼が満足気なため息を吐いているのを私は見逃さなかった。

“特別”な時間は、これからも続くのかもしれない。

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店を出てタクシーへ乗り込む寸前、私は彼の方へ振り返って「ありがとう、またこんな風に過ごせたら嬉しい」と、少しドキドキしながら言った。

すると、彼は伏し目がちに「実は、今度結婚することになった。今日は、ずっと忘れられなかった、“特別”だった君と最後の思い出を作りに誘ったんだ」

「本当に、ありがとう」
そう言った彼を残して、タクシーが走り出した。

そんな“特別”ってある…?
私の複雑な気持ちを他所にきらきらと煌めく白金の街並みを、私はずっと眺めていた。

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東京都港区白金3-14-10 ベルパラーゾシロカネ 1F
本間アキ
仕事に遊びに自分磨きに忙しくても、やっぱりデートって特別な時間。私のことを思って今日のお店を選んでくれたんだなってのが伝わると、自分もこの人のことを大事にしたいって思えるのです。ってことで、この人となら…!って気持ちにさせてくれる“とっておき”のお店を選んでみました♡

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